薬剤師アルバイトの時給は145職種中14位|看護師の1.54倍

薬剤師アルバイトの時給が他職種と比べてどの位置にあるかを、厚生労働省の賃金構造基本統計調査から145職種すべてを並べ直して確認しました。薬剤師は2,845円で14位、看護師の1.54倍、短時間労働者全体の2.01倍です。

最終更新 2026年7月27日 公開 2026年7月27日 執筆 編集部

この記事でわかること

  • 薬剤師のアルバイト時給は2,845円で、145職種中14位
  • 短時間労働者全体の平均1,412円の2.01倍、看護師1,849円の1.54倍
  • 2020年の2,349円から4年で21.1%上昇。同じ期間に働く人も33.9%増えている

薬剤師のアルバイトは時給が高いとよく言われますが、「何と比べて高いのか」まで示された記事はほとんどありません。

そこで厚生労働省の賃金構造基本統計調査から、短時間労働者の145職種すべての時給を抜き出して並べ直し、薬剤師がどの位置にいるのかを確認しました。あわせて2020年からの4年間の推移も集計しています。

本記事の調査・評価基準

調査対象
短時間労働者145職種、男女計、企業規模10人以上
数値の確認日
令和5年(2023年)調査
評価項目
1時間当たり所定内給与額、労働者数
順位の決め方
145職種の「1時間当たり所定内給与額」を降順に並べて順位を付けた。所定内の金額のため残業代・通勤手当は含まない。役職手当の有無など職種内のばらつきは平均に吸収されている
編集方針
当サイトは広告収益で運営していますが、報酬額の多寡は順位に影響させていません。 上記の評価項目のみで順位を決定しています。

薬剤師は145職種中14位、2,845円

まず全体の中での位置です。上位の顔ぶれと、医療系職種の位置をあわせて示します。

順位職種時給
1医師12,225円
2歯科医師8,133円
3航空機操縦士8,048円
4大学教授(高専含む)7,822円
5獣医師7,553円
9法務従事者4,317円
13管理的職業従事者3,293円
14薬剤師2,845円
15臨床検査技師2,649円
21診療放射線技師2,450円
22助産師2,355円
26理学療法士、作業療法士など2,167円
39看護師1,849円
46歯科衛生士1,703円
60准看護師1,543円
95保育士1,317円
103介護職員(医療・福祉施設等)1,272円
127販売店員1,166円

薬剤師の上位には、医師・歯科医師・獣医師・大学教員・航空機操縦士といった長い養成課程や難関の免許を前提とする職種が並びます。医療系職種の中では、医師・歯科医師・獣医師に次ぐ4番目の位置です。

短時間労働者全体の2.01倍、看護師の1.54倍

倍率で見ると差の大きさがはっきりします。

薬剤師 薬剤師:2845円 2845 看護師 看護師:1849円 1849 短時間全体 短時間全体:1412円 1412 介護職員 介護職員:1272円 1272
短時間労働者の時給比較。薬剤師は全体平均の約2倍、看護師の約1.5倍にあたる。 出典:厚生労働省「賃金構造基本統計調査」令和5年より編集部が算出
比較対象時給薬剤師との倍率
短時間労働者全体(産業計)1,412円2.01倍
看護師1,849円1.54倍
介護職員(医療・福祉施設等)1,272円2.24倍
保育士1,317円2.16倍

短時間労働者全体の平均1,412円は、約1,251万人分を集計した数字です。薬剤師の2,845円はその2.01倍にあたります。

医療職の中で比べても差があります。看護師の1,849円に対して薬剤師は1.54倍です。常勤の年収では看護師と薬剤師の差はここまで大きくありませんが、短時間勤務にすると差が開くという構造が見えます。

この順位は上がってきた位置にある

現在の2,845円は、もともとこの水準だったわけではありません。2020年は2,349円で、4年間で21.1%上昇しています。同じ期間に短時間勤務の薬剤師は33,260人から44,540人へ33.9%増えました。

2200 2467 2733 3000 2020年:2349円 2349 2020年 2021年:2414円 2021年 2022年:2903円 2022年 2023年:2845円 2845 2023年
薬剤師の短時間労働者の時給推移。2021年から2022年にかけて大きく上昇している。 出典:厚生労働省「賃金構造基本統計調査」より編集部が算出

待遇と働く人数が同時に伸びている領域だということです。年ごとの動きと年収への換算は、時給を軸にした別の記事で詳しく扱っています。

経験年数で時給はほとんど上がらない

もうひとつ、アルバイトを検討するうえで知っておきたい特徴があります。

経験年数時給平均年齢労働者数
0年2,596円36.9歳約2,520人
1〜4年2,527円45.0歳約2,890人
5〜9年4,397円44.7歳約6,230人
10〜14年2,398円45.5歳約5,410人
15年以上2,637円58.1歳約27,480人

経験0年の2,596円と15年以上の2,637円の差は41円しかありません。5〜9年の4,397円だけが突出していますが、この階級は労働者数が約6,230人と限られており、高単価の少数例に平均が引っ張られている可能性が高いため、傾向としては読まないほうが安全です。

読み取れるのは、短時間勤務の時給は経験年数に素直に連動しないということです。正社員の年収が経験0年373.7万円から15年以上621.0万円まで約247万円の幅を持つのとは対照的です。

あわせて読みたい薬剤師の年収は543万円|40代で下がる理由をデータで検証薬剤師の平均年収を厚生労働省の賃金構造基本統計調査から独自に集計しました。年代別に見ると35〜39歳でピークを迎えたあと40代で下がること、企業規模が小さいほど年収が高いことがわかります。

つまりアルバイトの時給は「これまで何年やってきたか」より、どの企業規模のどの時間帯に入るかで決まりやすい、ということになります。経験を積めば時給が上がると期待して同じ職場に留まるより、条件の良い枠を探すほうが単価に効きます。

まとめ

  • 薬剤師のアルバイト時給2,845円は、短時間労働者145職種中14位
  • 短時間労働者全体の平均1,412円の2.01倍、看護師1,849円の1.54倍
  • 2020年2,349円から2023年2,845円へ4年で21.1%上昇、働く人も33.9%増加
  • 経験0年と15年以上の差は41円。時給は経験年数より勤務先の条件で決まる

高い時給が出ている領域であることは統計で確認できます。そのうえで単価を上げたいなら、勤続を重ねるより勤務先の条件を比べるほうが近道です。

正社員との時間単価の比較はこちら薬剤師の派遣・パートは時給2,845円|正社員より21%高い理由薬剤師の短時間勤務の時給を厚生労働省の統計から集計すると2,845円で、正社員の時給換算2,356円を21%上回ります。賞与を含めて計算し直しても逆転は残ります。数字とトレードオフを検証しました。

出典

  1. 厚生労働省「賃金構造基本統計調査」令和5年 短時間労働者_職種_DB1(e-Stat statsDataId 0004008680)
  2. 厚生労働省「賃金構造基本統計調査」令和5年 短時間_産業大分類_勤続年数別DB(e-Stat statsDataId 0004007980)
  3. 厚生労働省「賃金構造基本統計調査」